新型コロナウイルス感染症から回復したにもかかわらず、勃起力の低下や性機能に関する悩みを抱えている男性が増えています。「感染前は問題なかったのに」「これは一時的なものなのか」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、新型コロナウイルス感染症の後遺症として、ED(勃起障害)が発症するリスクが高まることが、国内外の複数の研究で報告されています。しかし同時に、適切な知識と対策を持つことで、多くのケースで改善が期待できることも明らかになっています。
この記事では、コロナ後遺症としてのEDについて、発症のメカニズムやリスク、具体的な改善方法まで、医学的根拠に基づいて詳しく解説します。一人で悩まず、正しい情報を知ることから始めましょう。
コロナ後遺症のEDは治るのか

新型コロナウイルス感染症の後遺症としてEDに悩む方にとって、最も気になるのは「治るのか」という点でしょう。結論から申し上げると、コロナ後遺症によるEDは時間経過とともに回復する傾向があります。ただし、回復の速度や程度には個人差がありますので、自己判断せず医師への相談が大切です。
時間経過とともに勃起機能は回復する傾向がある
新型コロナウイルス感染症の後遺症としてEDを発症した場合でも、多くのケースで時間の経過とともに症状が改善することが研究で明らかになっています。感染直後は血管内皮のダメージや心理的ストレスなどが重なり、勃起機能に影響が出やすい状態になっています。しかし、体の回復に伴い、これらの影響も徐々に軽減していく傾向があります。
ただし、回復の速度は個人の健康状態や年齢、生活習慣などによって異なりますので、焦らず適切な対応を続けることが重要です。
回復後6ヶ月から1年で多くの症例が改善している
コロナ後遺症によるEDは、感染から6ヶ月から1年程度の期間で改善する症例が多く報告されています。これは他のコロナ後遺症と同様の回復傾向を示しており、時間をかけて体が本来の機能を取り戻していく過程と考えられます。
国内外の調査では、感染から12ヶ月後には後遺症を抱える方の割合が大きく減少することが確認されています。ただし、症状の改善には個人差が大きく、中には1年以上経過しても症状が続くケースもあります。このため、症状が長引く場合は、医療機関で適切な治療を受けることをおすすめします。
回復を促進するためには、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠といった基本的な生活習慣の改善が有効です。また、必要に応じてED治療薬の使用も検討できます。
一時的な症状であり永続的なEDになるケースは少ない
コロナ後遺症としてのEDは、多くのケースで回復が期待できる一方、約50%の患者で感染から2年後もEDの症状が持続しているという長期追跡報告も存在します 。
EDの持続は、全身の血管内皮機能障害が長期化しているサインであり、将来的な心臓病や脳卒中などの心血管疾患のリスクを高める警告として、注意深いフォローアップが必要です 。
症状が改善しない場合や悪化する場合は、コロナ後遺症以外の原因が関与している可能性もあります。心理的なストレスや不安が症状を長引かせている場合もありますので、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。医師と相談しながら、個々の状態に合った対策を講じることで、多くの方が症状の改善を実感できるでしょう。
コロナ後遺症でEDが起こる原因

コロナ後遺症としてEDが発症する原因は複雑で、複数のメカニズムが関与していると考えられています。新型コロナウイルスは呼吸器だけでなく、血管系や内分泌系にも影響を及ぼすため、勃起機能に必要な体の仕組みが複数の段階で障害を受ける可能性があります。
血管内皮がダメージを受け血流が悪化する
新型コロナウイルスが引き起こすEDの主要な原因の一つが、血管内皮のダメージです。血管の一番内側にある内皮細胞は、血液の流れをスムーズにする重要な役割を担っています。新型コロナウイルスは、この血管内皮細胞に直接感染し、細胞の機能を低下させることが研究で明らかになっています 。
実際、感染から長期経過したヒトの陰茎組織内に、SARS-CoV-2ウイルスが存在したことが確認されており 、このウイルス残存が広範囲な血管内皮機能障害を引き起こし、EDに寄与すると考えられています。
陰茎の平滑筋が直接的に損傷を受ける
陰茎内部には平滑筋という筋肉組織があり、勃起のメカニズムにおいて中心的な役割を果たしています。性的刺激を受けると、平滑筋がリラックスして血管が拡張し、血液が流れ込むことで勃起が起こります。
新型コロナウイルスは、血管平滑筋細胞にも影響を与えることが報告されています。特に、ウイルス感染によって引き起こされる炎症性サイトカイン(IL-6など)や活性酸素種(ROS)の過剰産生は、海綿体平滑筋の弛緩不全を招き、EDを引き起こす主な要因となります 。
この平滑筋の損傷は、血管内皮の障害と相まって、勃起機能をより複雑に低下させる要因となります。ただし、多くの場合、時間の経過とともに組織の修復が進み、機能が回復していく傾向があります。
テストステロンの低下が勃起力に影響する
新型コロナウイルス感染症は、男性ホルモンであるテストステロンの分泌にも影響を及ぼす可能性が指摘されています。テストステロンは性欲や勃起機能の維持に重要な役割を果たしており、その低下はEDの原因となります。
ウイルスが精巣の細胞に影響を与えることで、テストステロンの産生が一時的に低下する可能性があります。また、感染による全身の炎症反応やストレスも、ホルモンバランスを乱す要因となります。テストステロンの低下は、性欲の減退だけでなく、勃起そのものの質にも影響します。
幸いなことに、ホルモンレベルの変化も多くの場合は一時的なものであり、体の回復に伴って正常化していくことが期待できます。ただし、回復に時間がかかる場合や症状が重い場合は、医師に相談してホルモン検査を受けることも検討できます。
感染後の心理的ストレスがEDを悪化させる
新型コロナウイルス感染症の経験は、多くの方に大きな心理的ストレスをもたらします。感染への不安、療養中の孤立感、後遺症への心配など、さまざまな精神的負担が重なることがあります。このような心理的ストレスは、EDの発症や悪化に大きく関わっています。
ストレスや不安は自律神経のバランスを乱し、勃起に必要なリラックス状態を妨げます。また、一度EDの症状を経験すると、「また失敗するのではないか」という不安が新たなストレスとなり、症状を悪化させる悪循環に陥ることもあります。
さらに、療養期間中の運動不足や生活リズムの乱れ、社会的な孤立なども、精神面に影響を与える要因となります。心理的な要因によるEDは、カウンセリングやストレス管理によって改善する可能性がありますので、必要に応じて専門家のサポートを受けることが有効です。
コロナ感染後のED発症リスク

新型コロナウイルス感染症に罹患すると、ED発症のリスクが上昇することが複数の研究で報告されています。感染していない方と比較した場合の具体的なリスクや、重症度との関係について理解することは、適切な予防や早期対応につながります。
未感染者と比較して約30%リスクが上昇する
複数の研究報告を統合したメタアナリシスによると、新型コロナウイルスに感染した男性は、感染していない男性と比較してEDを発症する相対リスクが2.64倍(95%信頼区間 1.01–6.88)であることが示されています 。この事実は、COVID-19がEDと密接に関連していることを、具体的な数値で明確に示しています 。
このリスク上昇は、ウイルスによる血管へのダメージや炎症反応、ホルモンバランスの変化など、複数の要因が組み合わさって起こると考えられています。特に、感染によって引き起こされる血管内皮の障害は、勃起機能に直接的な影響を与える重要な要素です。
ただし、リスクが上昇するからといって、必ずしもすべての感染者がEDを発症するわけではありません。個人の健康状態や年齢、生活習慣などによって影響の度合いは異なります。また、適切な予防策や早期の治療介入によって、リスクを軽減できる可能性があります。
入院治療が必要だった重症者ほど発症率が高い
新型コロナウイルス感染症の重症度とED発症の関係について、重要な傾向が明らかになっています。入院が必要なほど重症化した方では、軽症者や無症状者と比較して、EDを発症するリスクがさらに高くなることが報告されています。
重症化すると、ウイルスによる体へのダメージがより広範囲に及び、血管や臓器への影響も大きくなります。集中治療が必要だった方や人工呼吸器を使用した方では、全身の血管系に強い炎症や血栓のリスクが生じるため、勃起機能にも大きな影響が出やすくなると考えられています。
また、重症者は療養期間が長くなることで、運動不足や体力の低下、精神的なストレスも大きくなりがちです。これらの要因も、EDのリスクを高める一因となります。重症化した経験がある方は、回復後も継続的に健康状態をモニタリングし、必要に応じて医療機関に相談することが大切です。
他のウイルス感染症との比較データ
新型コロナウイルス感染症に特有のED発症リスクを理解するため、他のウイルス感染症との比較も行われています。一般的な風邪やインフルエンザなどの呼吸器感染症でも、一時的に体調不良や倦怠感が生じることはありますが、新型コロナウイルスほど顕著なED発症リスクの上昇は報告されていません。
この違いは、新型コロナウイルスが持つ特有の性質に起因すると考えられています。特に、血管内皮細胞への直接的な感染能力や、広範囲にわたる血管炎症を引き起こす特性が、他のウイルスとは異なる点です。また、新型コロナウイルスは肺だけでなく、全身の血管や臓器に影響を及ぼすことが知られており、これがEDのような後遺症につながっていると考えられます。
ただし、研究はまだ進行中であり、今後さらに詳細なデータが蓄積されることで、より正確な理解が深まることが期待されています。現時点では、新型コロナウイルス感染症が他の一般的なウイルス感染症と比較して、ED発症リスクを高める可能性がある点を認識しておくことが重要です。
コロナ後遺症ED改善のための5つの対策

コロナ後遺症としてのEDは、適切な対策を講じることで改善が期待できます。ここでは、日常生活で実践できる具体的な方法から医療機関でのサポートまで、効果的な対策を5つご紹介します。これらを組み合わせることで、より良い結果につながる可能性があります。
血管を守る食生活と禁煙の実践
EDの改善には、血管の健康を保つことが非常に重要です。血管を守るための食生活として、野菜や果物、魚、全粒穀物を中心としたバランスの取れた食事を心がけましょう。特に、オメガ3脂肪酸を含む青魚や、抗酸化物質が豊富な野菜は血管の健康維持に役立ちます。
- 野菜・果物:血管の老化を防ぐ
- 青魚:血流を改善する
- 全粒穀物:血糖値の急上昇を抑える
- ナッツ類:血管の柔軟性を保つ
一方、塩分の多い食事や脂質の過剰摂取は血管に負担をかけるため、控えめにすることが大切です。また、喫煙は血管内皮を直接傷つけ、EDのリスクを大きく高めます。禁煙は血管の健康回復において最も効果的な対策の一つですので、コロナ後遺症の改善を機に、ぜひ禁煙に取り組んでみてください。
アルコールについても、過度の飲酒は避け、適量を心がけることが推奨されます。これらの生活習慣の改善は、EDだけでなく全身の健康状態を向上させ、他のコロナ後遺症の改善にもつながる可能性があります。
ウォーキングとケーゲル体操で血流改善
適度な運動は、血流を改善し、EDの症状軽減に効果的です。特におすすめなのが、ウォーキングなどの有酸素運動です。1日30分程度のウォーキングを週に数回行うことで、全身の血流が改善され、勃起機能の回復を促すことが期待できます。
運動を始める際は、無理のない範囲で徐々に強度を上げていくことが大切です。コロナ後遺症がある場合、急激な運動は体に負担をかける可能性があるため、まずは軽いウォーキングから始め、体調を見ながら少しずつ時間や距離を延ばしていきましょう。
また、ケーゲル体操と呼ばれる骨盤底筋を鍛える運動も、ED改善に特に効果的です。骨盤底筋は勃起を維持する役割を担っており、この筋肉を鍛えることで勃起力の向上が期待できます。ケーゲル体操は場所を選ばず、立っていても座っていても行えるため、日常生活に取り入れやすい運動です。
定期的な運動習慣は、ストレス解消や睡眠の質の向上にもつながります。ただし、激しい運動や長時間の運動は避け、自分の体調に合わせて無理なく続けることが重要です。
ED治療薬を使った効果的な治療
生活習慣の改善だけでは症状が十分に改善しない場合、ED治療薬の使用を検討することも有効な選択肢です。ED治療薬は、陰茎への血流を増やすことで勃起を促進する働きがあり、コロナ後遺症によるEDに対しても効果が期待できます。
ED治療薬にはいくつかの種類があり、それぞれ効果があらわれる時間や持続時間が異なります。短時間で効果があらわれるものから、効果が長時間持続するタイプまで、ライフスタイルや目的に合わせて選択できます。医師と相談しながら、自分に適した治療薬を選ぶことが大切です。
ED治療薬の使用にあたっては、必ず医師の診察を受け、処方箋に基づいて使用する必要があります。他の疾患で服用している薬との相互作用や、既往症による使用制限がある場合もあるため、自己判断での使用は避けてください。
また、ED治療薬は根本的な治療薬ではなく、症状を一時的に改善するものです。薬を使用しながら、並行して生活習慣の改善にも取り組むことで、より効果的な改善が期待できます。効果や副作用については個人差がありますので、使用後の状態を医師に報告し、必要に応じて調整していくことが重要です。
質の良い睡眠とストレス解消法
十分な睡眠は、体の回復とホルモンバランスの維持に不可欠です。コロナ後遺症からの回復において、質の良い睡眠を確保することは非常に重要な対策となります。毎日7〜8時間の睡眠を目指し、規則正しい睡眠リズムを整えることを心がけましょう。
睡眠の質を高めるためには、就寝前のスマートフォンやパソコンの使用を控え、寝室を暗く静かな環境に保つことが効果的です。また、就寝前のカフェイン摂取や激しい運動は避け、リラックスできる時間を設けることも大切です。
ストレス管理も、EDの改善において重要な要素です。ストレスは自律神経のバランスを乱し、勃起機能に悪影響を与えます。深呼吸や瞑想、趣味の時間を持つなど、自分に合ったストレス解消法を見つけて実践しましょう。
- 深呼吸・瞑想:自律神経を整える
- 趣味の時間:気分転換になる
- 適度な運動:ストホルモンを分泌させる
- 入浴:リラックス効果が高い
パートナーとのコミュニケーションも、心理的な負担を軽減する上で重要です。一人で悩みを抱え込まず、理解と協力を求めることで、精神的な安定につながり、EDの改善にもプラスの効果をもたらす可能性があります。
オンライン診療で相談しやすい環境を利用する
EDは非常にデリケートな悩みであり、直接医療機関を受診することに抵抗を感じる方も少なくありません。そのような場合、オンライン診療を利用することで、自宅から気軽に医師に相談できます。
オンライン診療では、ビデオ通話や電話を通じて医師の診察を受けることができます。自宅にいながら専門的なアドバイスを受けられるため、時間や場所の制約が少なく、プライバシーも保たれます。初診から処方まで対応している医療機関も多く、処方されたED治療薬は自宅に配送してもらえるため、薬局に行く必要もありません。
オンライン診療を利用する際は、信頼できる医療機関を選ぶことが重要です。医療法人が運営しているクリニックや、実績のある医療機関を選びましょう。診察時には、コロナ感染歴や現在の症状、服用中の薬などを正確に伝えることで、より適切な治療を受けることができます。
ただし、オンライン診療では検査や詳細な診察が制限される場合もあります。症状が重い場合や、他の健康問題が疑われる場合は、対面診療を受けることも検討してください。自分の状況に合わせて、オンライン診療と対面診療を使い分けることが、効果的な治療につながります。
コロナワクチンとEDの関係

新型コロナウイルスワクチンの接種とEDの関係について、さまざまな情報が流れていることから、不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、科学的な研究データに基づいて、ワクチンとEDの関係について正確な情報をお伝えします。
ワクチン接種がED発症リスクになる科学的根拠はない
新型コロナウイルスワクチンの接種がEDの発症リスクを高めるという科学的根拠は、現時点で確認されていません。2021年にアメリカで実施された調査では、ワクチン接種を受けた方とED発症の間に関連性は認められませんでした。むしろ、新型コロナウイルスに感染することのほうが、EDのリスクを大きく高める可能性があることが明らかになっています。
一部で「ワクチン接種が男性機能に悪影響を与える」という情報が広がったことがありますが、これらは科学的根拠に基づかない誤情報です。複数の研究機関による調査でも、ワクチン接種が精子の量や濃度、運動性などに悪影響を与えるという報告はありません。
ワクチン接種は、新型コロナウイルス感染症とその後遺症を予防するための重要な手段です。感染によるEDのリスクを考えると、ワクチン接種を受けることは、むしろ勃起機能を守るための予防策として有効であると考えられます。ワクチンに関する正確な情報は、厚生労働省や医療機関の公式サイトで確認することをおすすめします。
ただし、ワクチン接種後に一時的に発熱や倦怠感などの副反応が出ることがあります。これらの副反応により体調が優れない期間は、性行為や激しい活動を控えることが望ましいでしょう。副反応は通常数日以内に治まりますので、過度に心配する必要はありません。
ワクチン接種前後でのED治療薬使用の注意点
新型コロナウイルスワクチン接種の前後にED治療薬を使用することについて、基本的には特別な制限はありません。ワクチンとED治療薬の間に、薬理学的な相互作用は報告されていないため、通常通り使用しても問題ないと考えられます。
しかし、実際の使用にあたってはいくつか配慮すべき点があります。ワクチン接種後は、発熱や倦怠感、注射部位の痛みなどの副反応が出ることがあります。このような体調不良の状態では、性行為を十分に楽しめない可能性が高いため、ED治療薬を使用しても期待した効果が得られないかもしれません。
接種直後の1〜2日間は体調の変化に注意を払い、無理をしないことが大切です。副反応が治まり、体調が完全に回復してからED治療薬を使用することをおすすめします。また、ワクチン接種後に予期しない体調の変化があった場合は、性行為やED治療薬の使用を控え、まずは体調の回復を優先してください。
ED治療薬を定期的に使用している方がワクチン接種を受ける場合は、事前に医師に相談することをおすすめします。特に心臓や血管に関する持病がある方、血圧の薬を服用している方などは、ワクチン接種とED治療薬の使用について医師のアドバイスを受けることが安心につながります。
ワクチン接種は新型コロナウイルス感染症から身を守るための重要な予防策です。ED治療薬を使用しているからといってワクチン接種を避ける必要はありませんが、接種後の体調管理を適切に行うことで、より安全に過ごすことができます。
コロナ治療中・回復後のED対応でよくある質問

コロナ後遺症としてのEDについて、多くの方が共通して抱く疑問や不安があります。ここでは、特に質問の多い3つのテーマについて、医学的な観点から分かりやすく解説します。
コロナ治療薬とED治療薬は併用できるのか
新型コロナウイルス感染症の治療を受けている最中は、ED治療薬との併用は命に関わる重篤な薬物相互作用を引き起こす可能性があるため、絶対に避けるべきです 。
特に抗ウイルス薬であるニルマトレルビル/リトナビル(商品名:パキロビッド等)に含まれるリトナビルは、ED治療薬(PDE5阻害薬)の代謝を強力に阻害し、血中濃度を危険なレベルまで上昇させます 。この相互作用は、重度の低血圧、失神、持続勃起症、最悪の場合は致死的なイベントにつながる可能性があります 。治療薬の服用中および最終投与から3日後までは、ED治療薬の使用について必ず医師の厳格な指示に従ってください 。
治療が終了し、医師から許可が出れば、ED治療薬の使用を再開できます。再開のタイミングについても、必ず医師に相談することをおすすめします。安全性を最優先に考え、医師の指示に従って適切に薬を使用することが大切です。
どのタイミングで医療機関を受診すべきか
コロナ後遺症としてのEDで医療機関を受診するタイミングについて悩む方は少なくありません。一般的な目安として、感染から回復後、2〜3ヶ月経過してもED症状が改善しない場合は、医療機関への相談を検討するとよいでしょう。
ただし、症状が日常生活や精神的な健康に大きな影響を与えている場合は、もっと早い段階で受診することも選択肢の一つです。EDは生活の質に直結する問題であり、一人で悩み続けることで心理的なストレスが増大し、症状がさらに悪化する可能性もあります。
また、以下のような状況では、早めの受診が特に推奨されます。
- 症状が徐々に悪化している場合
- 勃起が全くできない完全なEDの状態が続いている場合
- 他の後遺症(倦怠感、息切れなど)も併発している場合
などです。
これらの症状は、より包括的な医療的サポートが必要なサインかもしれません。
医療機関では、問診や必要に応じた検査を通じて、EDの原因を特定し、適切な治療法を提案してもらえます。血液検査でホルモン値を調べたり、他の健康問題がないか確認したりすることもあります。対面診療に抵抗がある場合は、オンライン診療を利用することもできますので、自分に合った方法で早めに専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
パートナーへの説明と理解を得るコツ
EDは非常にデリケートな問題であり、パートナーにどう説明すればよいか悩む方も多いでしょう。しかし、パートナーとのオープンなコミュニケーションは、問題解決の重要な鍵となります。一人で抱え込むのではなく、信頼できるパートナーと共有することで、精神的な負担が軽減され、症状の改善にもプラスの効果をもたらす可能性があります。
説明する際は、コロナ後遺症としてのEDが医学的に認められている症状であり、決して珍しいことではないという事実を伝えることから始めましょう。「自分だけの問題」「年齢や気持ちの問題」と誤解されないよう、ウイルス感染による身体的な影響であることを明確に伝えることが大切です。
また、回復には時間がかかる場合があること、しかし多くの場合改善が期待できることも併せて伝えましょう。一時的な症状であり、適切な対策を講じることで改善していく可能性が高いことを共有することで、パートナーも前向きに受け止めやすくなります。
パートナーに求めるサポートとしては、焦らず時間をかけて回復を待つこと、性行為以外のスキンシップやコミュニケーションを大切にすること、必要に応じて一緒に医療機関に相談に行くことなどが挙げられます。お互いの気持ちを尊重し合いながら、この困難な時期を一緒に乗り越えていく姿勢が、関係性の深化にもつながるでしょう。
もしパートナーとの話し合いが難しい場合は、カップルカウンセリングを利用することも一つの方法です。第三者である専門家が介在することで、お互いの気持ちを冷静に伝え合う環境が整い、建設的な対話が可能になることもあります。
まとめ|コロナ後遺症EDは回復可能な症状

新型コロナウイルス感染症の後遺症としてEDが発症することは、決して珍しいことではありません。血管内皮へのダメージ、ホルモンバランスの変化、心理的ストレスなど、複数の要因が関わっていますが、重要なのは「多くの場合、時間の経過とともに回復が期待できる」という点です。
感染から6ヶ月から1年程度で症状が改善する方が多く、永続的なEDになるケースは少ないことが研究で示されています。また、バランスの取れた食事や禁煙、適度な運動、質の良い睡眠といった生活習慣の改善に加えて、必要に応じてED治療薬を使用することで、より効果的な改善が期待できます。
一人で悩みを抱え込まず、医療機関に相談することも大切です。対面診療に抵抗がある場合は、オンライン診療という選択肢もあります。また、パートナーとのオープンなコミュニケーションも、心理的な負担を軽減し、回復を促進する重要な要素となります。
コロナ後遺症としてのEDは、適切な対策と時間をかけることで改善していく可能性が高い症状です。焦らず、自分に合った方法で向き合っていきましょう。症状が長引く場合や不安が大きい場合は、ぜひ専門家のサポートを受けることをおすすめします。あなたの健康と幸福な生活を取り戻すために、できることから始めてみてください。
参考文献

厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00402.html
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)に関するQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kouisyou_qa.html
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント」
https://www.mhlw.go.jp/content/000860932.pdf
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)「パキロビッドパック添付文書」
https://www.pmda.go.jp/
日本医療薬学会「パキロビッド(ニルマトレルビル/リトナビル)の薬物相互作用マネジメントの手引き」
https://www.okiyaku.or.jp/item/3363/large/20220228.pdf
国立国際医療研究センター病院薬剤部「パキロビッドパックとの併用に慎重になるべき薬剤リスト」
https://www.hosp.jihs.go.jp/phar/140/20220210.pdf
厚生労働省「新型コロナワクチンQ&A – ワクチンを接種することで不妊になるというのは本当ですか」
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0086.html
厚生労働省「新型コロナワクチンの有効性・安全性について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_yuukousei_anzensei.html











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